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ダライ・ラマ 武力行使を回避するようアメリカに訴える

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2001年9月17日
カルカッタ ロイター通信

亡命中のチベットの精神的指導者ダライ・ラマは月曜、アメリカに対して、先週の破壊的テロ攻撃に対する軍事的報復を行わないように訴え、非暴力だけが国際的テロリズムと戦う方法であると述べた。

「私は、同情を表明するとともに、暴力は適切な問題解決法ではないのだから、さらなる暴力で応えることをしないように大統領に呼びかけた」と、チベット仏教指導者はカルカッタで行われた記者会見で語った。

ダライ・ラマは、1959年に数万人のチベット人たちと共に故国からインドに逃れた。中国軍がチベットに侵入して、チベットの仏教政権国を征服してから9年目のことである。

この1989年のノーベル平和賞受賞者の言葉は、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の呼びかけに続いたものである。ヨハネ・パウロ2世は、日曜、世界の人々に対して、ニューヨークとワシントンのテロ攻撃からさらなる暴力を誘発させないように、「憎悪と暴力の悪循環」に陥らないようにと呼びかけた。

アメリカは、ニューヨーク世界貿易センタ−のツインタワービルとワシントン国防総省をハイジャック航空機を激突させて破壊したテロ攻撃に対して報復を誓っている。

非暴力だけが唯一の問題解決法

「ほとんどの場合、暴力は破壊しかもたらさない・・・このような事態は非暴力によって回避されるべきであろう。非暴力だけが、テロリズムに長期的に対抗できる手段である」とダライ・ラマは語った。

アメリカがこれまでに発表したところでは、アフガニスタンのタリバン支配者によってかくまわれているイスラム教武装過激派闘士のオサマ・ビンラディンが、5千人もの人々が死亡または行方不明になったテロ攻撃の首謀者であるということである。

44歳の大富豪ビンラディンは、自らの関与を否定して、アフガニスタンがそんなことを許さないであろうと語っている。

ダライ・ラマは、テロ攻撃には非常に多くの原因があるはずだと述べている。

「あらゆる出来事には多くの原因がある・・・一人の個人、例えばオサマ・ビンラデインを取り上げて、彼の責任であると言うことは出来ない。それは現実的ではない」とダライ・ラマは語った。彼の亡命政府は、中国のチベットにおける弾圧を非難している。

「富める国々と貧しい国々の格差も一つの要因である。(といえるかもしれない)」と彼は語った。

「あらゆる主要な宗教の真髄は、憐れみ、許し、自足、自制と人間愛である」とも述べた。

「ある人々は、自らの行動を正当化するために、宗教を名目として利用しているだけかもしれない」とダライ・ラマは語った。